リトル・ダッキー

『ミドル・ダッキー再登場』
 
  ミドル・ダッキーは、くたびれた中年のあひるのおもちゃです。
  いつも、あなたのお風呂に、ダルそーに浸かっています。
  「どうなん最近?」と、リトル・ダッキーが聞くと、「どうもこうもないよ…」と、ミドル・ダッキーは面倒くさそうに答えます。
  「登場したのは良いんだけど、後が続かない…」
「あれ?作者忙しいから、ゴーストライターが書いてたんじゃなかったっけ?」
「名前が付いた所で、終わっちゃったよ」
「いいじゃん、別に。冒険なんて、終わった後は虚しいだけだよ…」
  そう言って、リトル・ダッキーは少し遠い目をしました。
  「冒険を知らない虚しさよりは、ましだよ…」
  ミドル・ダッキーも同じように遠い目をしています。
 
  その後二人は、しばらく黙ったまま、ぼんやりと水滴の滴る天井を見上げていました。

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