リトル・ダッキー

『恋愛小説』
 
  パタン、と本を閉じてあなたは言いました。
「ま、よくある恋愛小説ってところね」
  ダッキーはいつものように、湯船をのんびりと泳ぎ回っています。
「ちょっと、強引な展開だし、台詞もわざとらしいし、ちょっと結末狙いすぎたみたいなとこあるけど…」
 
「面白かった?」とダッキーが聞くと、「うーん、まぁまぁってとこかな」
  そう答えたあなたの顔は、流れっぱなしの鼻水と涙とでぐちゃぐちゃになっていました。

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