リトル・ダッキー

『インタビュー』

ダッキー(以下「ダ」)「こんにちは。あひるのおもちゃのリトル・ダッキーです。今日は、超短編小説『リトル・ダッキー』の著者、TOMAKIさんにお越し頂いています。どうも初めまして」
TOMAKI(以下「T」)「初めまして」
ダ「いつも楽しく作品を拝読させていただいています」
T「ありがとうございます」

ダ「『ダッキー』は、あひるのおもちゃなんですよね?」
T「はい、そうです」
ダ「おもちゃがしゃべったり、冒険をしたりするのは、とてもユニークですね」
T「え?そうですか?うちのあひるのおもちゃはとてもおしゃべりですよ」
ダ「ハハハ。
T「いや、ホントに」

ダ「さて、TOMAKIさんは留学経験がおありだと聞いたのですが…」
T「はい、1994年から、4年間アメリカの大学で陶芸彫刻を学んでいました」
ダ「何故、わざわざアメリカで陶芸を?」
T「もともと違う学部にいたのですが、たまたま軽い気持ちで芸術系のクラスを受講して、その自由な雰囲気と創作することの面白さにハマってしまい、アート学部に籍を移したんです。陶芸彫刻科に籍を置いてましたが、他にも油絵、水彩画、プリントメーキング、彫刻、写真などのクラスも受講していました」

ダ「卒業後は、写真の仕事をなさっていたのですね?」
T「一年間だけですが、ロサンゼルスで宝石会社でデジタル・フォトグラファーとして働いていました」
T「仕事は大変でしたか?」
ダ「いえ、デジタルでの画像処理など色々学ぶこともできましたし、やりがいのある仕事でした」

ダ「日本に帰国してからはどんなお仕事を?」
T「最初は在宅でウェブサイトの翻訳をしていましたが、その後インターネット・サービス・プロバイダーに勤務しながら、カスタマーサポートやパソコンインストラクター、ウェブデザインの仕事などをしていました。今はウェブデザイナーとして外資系のウェブサイト制作などを行っています」

ダ「ずいぶん、多彩な経歴をお持ちですね」
T「実際、色々ありました」
ダ「ちょっと、色々あり過ぎではないですか?」
T「どういう意味ですか?」
ダ「つい先日話題になった、某議員の学歴詐称問題についてどう思われます?」
T「なんですか、それ。ちょっと失礼じゃないですか!」

ダ「では、今回のインタビューで話した内容が全て事実だと言い切れますか?」
T「もちろんです」
ダ「海外生活経験者で、語学に堪能で、芸術に造詣が深い」
T「はい」
ダ「写真が撮れてパソコンに詳しい、モノ書きが趣味のウェブデザイナー」
T「はい」
ダ「そして、お宅のあひるのおもちゃは良くしゃべる」
T「え?」

ダ「あなたの家のあひるのおもちゃは、おしゃべりだって言いましたよね?」
T「……」
ダ「どうなんですか?あひるのおもちゃはしゃべるんですか?しゃべらないんですか?」
T「そ、それは…」
ダ「あひるのおもちゃがしゃべるんですか?」

T「…しゃべらないです」
ダ「……」
T「うちのあひるのおもちゃは、しゃべらないです」
ダ「……」
T「あの、妄想…、だったのでしょうか?全て私が頭の中で作り出した妄想だったのでしょうか?」
ダ「……」
T「ねぇ、ダッキー?」
ダ「……」
T「何で何も言わないの?」
ダ「……」
T「ダッキー…」
ダ「……」


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