リトル・ダッキー
『ダッキーと瓢箪』
リトル・ダッキーはちいさなあひるのおもちゃです。
ある日、ダッキーが湯船に浮かんで「坊ちゃん」を読んでいると、あなたが瓢箪を持って風呂場に入ってきました。
「なにそれ。ひょうたん?」
とダッキーが聞くと、
「うん、そう。代官山の雑貨屋で売ってたの」
と、あなたはうれしそうに瓢箪をドプンとお湯に浸けました。
ダッキーは本を濡らさないように風呂の淵に登って見ていると、あなたは瓢箪をゴシゴシ体にこすりつけ始めました。あなたの皮膚はみるみる赤く腫れていきます。
「こうするとお肌に良いんだって、本に書いてあったの」
と得意げに説明するあなたに、ダッキーは「おいおい、それはヘチマだろ」と心の中で思いましたが、口には出しては言いませんでした。
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